第428話 消極的な動きではなく
- 2016/10/24
- 23:53

太極は積極的に動くものではないことを説明すれば、きっと色々な誤解が起きるのでしょうが、実際に太極拳教室を三年ほどに続けている中で私は徐々に皆様に太極の勁路を示して参りました。
当然、一般的な太極を教える人間と違って、私は推手練習の中で可能な限り学ぶ方々にギリギリまで攻めていただくことにしております。しかし、学ぶ者がこのようなことをすると当然、推手では簡単に負けてしまいますね。
私はこうして推手を教えながら、学生に断点と隙を見せながら崩されています。これがいわゆる喂勁であります。もちろん、この中でもわざと修正をせずにして崩されることと、ギリギリになって修正が失敗することがあります。当然、これは人間関係がしっかりとできていることが前提であります。
ところで、太極推手は本来、ゆっくりした動きの中で行われることになります。もちろん、相手は必ずゆっくり動くとは限りません。しかし、相手の動きにしっかりとついているのならば、相手の速い動きが出た瞬間に重心がなくなり、こちらではゆっくりした動きでついていくことができます。
よって、太極は積極的な動態に徹することではなく、消極的に動くことでもありません。呉式太極拳創始者である呉鑑泉が晩年ではこのように最上級の太極勁を申していました。「不棄、不丢、不過」これは、まさに太極推手のもっとも高級状態であることは間違いないです。
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