第457話 ぬるま湯
- 2016/11/22
- 12:42

日本国に28年間も生活していますが、非常に残念ながら日本の文化や習慣は未だに理解できていない部分が多いです。日本での最初の10年の生活はほとんど、日本語と生計の為に奔走していたのですが、少々生活の余裕ができたところで日本国の景気がどん底に陥り、会社の中での限られている人間関係でいっぱいでした。
当時の日本では、私みたいに学歴がない外国人で大手企業の破綻で社会に流れたら、工場の重労働や建築現場の仕事位しか残らなかったです。この国に住むなら文化の勉強が大切ですが、この28年間の私の怠慢は本当に許されないものだと痛感しました。一般の会社での人間関係でさえ難しいと言われる中、自分自身で会員さんを募集して心と心の付き合いをすることの難しさはこの3年半の間に何度も浮き彫りにされています。最近になって、数人の年寄りの会員さんに色々と勉強の依頼をしたところ、私が初めて日本の戦後に「ぬるま湯の文化」が存在することを知りました。
ああ、もう既に遅いかもしれません・・・
でも、日本国の永住権を持っている私なら今からでも遅くはないでしょう。日本の民はまだどれほどの独特な文化があるのだろうかをこれから謙虚に年寄りに頭を下げて学べばよいと感じます。
でも、この「ぬるま湯」は、実は私が17年前にも一度感じておりました。
営業先の大手量販店の店長代理が会社の海外研修で上海へ行かされたのですが、当の本人はまだ、当時の上海の発展をあまり知らなかったようで何故、上海へ行かされたのも理解できていなかったようでした。その店長代理さんは帰国した後、本部に駆けつけては号泣したそうです。大の男ですよ。そして、次に彼が所属していた店舗に戻り同じく号泣したところ、私が目撃しておりました。その一部のスピーチはこうでした。「・・・これは、私が流した血と涙がまだ全然足りていないということ・・・私は日本の戦後の甘えの文化で育った人間・・・この国はこのままでは滅びる・・・」まあ、わからないことでもないですが、その店長代理さんは実を言うと、二週間後に大手量販店を辞職しました。
私がその後に聞いた話ですが、あの方は急に部下に厳しい教育をはじめ、周りからはかなり疎外されての辞職に追い込まれたそうです。
今日の私はこのような過ちを起こしていないか、張り切りしすぎていないか、自分自身が流した血と涙を主張している私が人々に違和感を感じさせていないかを深く反省しています。
真面目な私ですが、中国文化のままで日本人と付き合っていくのならきっと、周りの方々にご迷惑をかけ、日本の社会に溶け込めないままで生涯を閉じることになります。
人間の修正をいたします。
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