第458話 動くこと
- 2016/11/23
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凡そ、すべての武術が動くことと繋がっています。機械的な動作で知られているロボットならおそらく一部分のパーツだけを動かしことが可能でしょうが、高級動物である人間は多くの専門家もご存知のように筋肉と筋肉が繋がっていて、更に神経も筋も一本の電線の役割と違い、我々の前足より手へと、進化とも退化とも何とも言えない器用さが備わりましたが、人類の他のパーツの退化は著しくこれ程に長生きできるのは本当に不思議です。
一時の流行りでは、とにかくひたすら体を動かせば誰もが簡単に健康を手に入れられると言われていましたが、後々の各分野の研究では無理で体をこきつかう運動は健康を損なう結果が出ています。
逆に昨今の世界のどの国も娯楽が健康増進に繋がると訴えている分野が多いようです。リフレッシュは当然、人間にとっての不可欠な一部分だと私も感じています。しかし、健康や長寿を目的とする運動や養生法はもしかして、日本語で言っている「細く長く」が最も近い感じでしょう。教室の時にだけは太極拳やヨガを練習することや、気分転換でたまにスポーツを楽しむなら娯楽のリフレッシュ効果があっても健康と養生の効果はかなり低いでしょう。
話題が変わり、赤ちゃんの腰椎の動きはおそらく、どの太極巨匠も真似できないと思います。しかし、先日の医者との対談ほ中で共通したのが、赤ちゃんが立ち上がった瞬間に腰椎の動きがたちまち限られてしまいます。これは、人間に課せられている直立という義務がもたらす悲惨な結果です。分かりやすく言えば、人間の腰椎は四つ足動物として設計されており、横の状態なら一定の自由があるものの、縦になったところでは縦の圧力で腰痛はほぼ骨一本状態になってしまいます。人間のすべての不器用なところは腰椎と直接関係してあります。太極は腰椎を少しでも動くようにすることで毎日のように練習しても何年もかかってしまいます。月二回の太極拳練習ならリフレッシュ効果があっても本格的な健康効果や養生効果はなかなか望めません。ご注意の程、宜しくお願いします。
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