第520話 無点と無線
- 2017/01/25
- 12:05

武術や武道の全てはぶつかった一瞬のポイントの感覚を大切にしているはずです。打撃を専門としている方もどのように相手に当たっていくパワーを増す研究をしています。
内家拳法の研究では、点を増すことによって少ない点を捉えていく研究になります。当たっていく点を増やすことで色々な種類の武道と武術が研究を重ねています。
太極は元々、点を無くすという理想を抱えていますが、人類は動きの中で力点を見せないことは基本的に不可能です。よって、太極が申す無点も基本的に相対的な状態になります。
武術の一つの動きで無限に接触点が増えれば、動きの軌跡である線の形もないことに限りなく近付きますが、これも人類の一生涯の修練で得られないものです。
これは基本的に無形の意と有形の意の違いです。武術の形を優先にすることなら無形は永遠に無理ですが、武術は基本的に動作で構成するものです。動きがほとんどなく人を崩すにはどれ程に難しいことだろうかは私が語らなくてもよいでしょう。
無数の点が線を構築します。点への意念を無くせば、線の形もなくなります。私は42年間ずっとこれを修練していますが、まだまだ、道のりはかなり遠いようです。太極は永遠に完成できないものですね。
スポンサーサイト