第550話 天人合一の憂鬱
- 2017/02/24
- 00:29

私の同門と言えば、同じく太極門馬江麟門下の者でありますが、先日、そのグループの一人の太極門人がどこからかはよくわからないですが、「天人合一」に関する道教関係の非常に難しい文書を仕入れたのです。
これはこれはと、私が興味津々に拝読してみたところ、なんと本当に難しくて中々、理解できない文書であり、私が太極門の師父に伺おうとしたところ、師父馬江麟も何故かお手上げのコメントをしてしまいました。
まあ、道教の理論では一応、「天人合一」や「白日飛昇」などの説があります。しかし、伝説によると道教で天地万物に属していない体を習得する為に多くの人間が「天人合一」や「白日飛昇」を修練していたのですが、ほとんどの人が失敗し悲惨な人生を送ることになったそうです。
もちろん、これは今日の気功偏差などの問題よりもかなり酷いことであり、知らないうちに乞食になったとか、重度の統合失調になって自ら命を絶つ者もいたようです。
理屈から申すと、天人合一よりも遥かに先の段階ですが、人間は自分自身の内勁で普段の通常の通り道(人体の14経絡)以外のところを通っていくことが要求されます。
もちろん、道のないところですし、引っかかっていたら自力で戻ることもかなり困難です。
ところで、今日の世界太極拳関係のネットではかなり多くの人が天人合一などを口にしていますね。もちろん、修練しているとは考えられないです。
四字熟語は響がよく、漢字系も非漢字系も適当に引用するお気持ちはわかりますが、実現が不可能なことを適当に説明しないようにしましょう。
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