第553話 単軽双重の私見
- 2017/02/27
- 11:51

単軽双重は太極門の専門用語です。太極十八在訣の中、「滞在双重,通在単軽」との説があります。これの説明は太極の本場である中国でも色々な違う説明が存在しており、多くの大陸太極拳愛好者も困惑を隠せない様子が伺えます。
しかし、この「単軽双重」という説は太極修練をしている方の身体状態や勁路の習得レベルによっても解釈が大分違ってきます。私は時々、数十年の試行錯誤からの観点で世界の色々な人の太極観点を観察しています。基本的に他人の異なる観点を公に批判することは、流派の看板を背負う者の行動ではないし、はっきり言って、すべての観点を並ぶにはかなりの時間がかかってしまいますが、少なくとも、正しく説明しているサイトの運営者の経歴を見てみるとどなたも長い間の修練を経た方ばっかりです。
もちろん、「単軽双重」の人体感覚はただ、練習を重ねるだけで良いとは限りません。
実際のところ、太極基本理論からすると人間の構造と骨格からすると完全な双重回避はまず不可能です。「単軽双重」はあくまでも我々が一つの完成に近い状態へと変わっていく理想であり、私達の色々な理屈による執着で体を束縛することではありません。
本日の「単軽双重」の結果です。
人間の体の各部分ですが、それぞれが積み木のようにもたれかかって、積み重なっている状態が太極用語では双重と言います。まあ、結果的に両足が均等に力が入り地に着き、体の色々な部分が力んでいる状態であれば、それも一応、双重であります。
逆に、単軽とは、人体の色々な部分がそれぞれの間に気体とも液体とも違う物質で、それぞれの積み木のような関係から解放されることになります。
もちろん、これは相対的な話になります。
太極の人体に関するすべての解釈は相対的な理論になります。ご注意ください。
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