第554話 一中と二正の誤解
- 2017/02/28
- 13:26
太極入門基礎にはこのように記しています。
一中∶心気中和,神清气沉,立点在脚。重心紧于腰脊,精神含敛于内,乃能中定沉静。
二正∶每一姿势,務求端正,最忌偏斜。虽或俯或仰,或伸或曲姿势繁多,其重心必须稳定。重心稳定則開合霊活自如,進退有序;重心不立則開合失其関键,虚実不清。
一中の誤解は、立点という言葉から来ることが多いです。簡単に一般の中国語として理解するのならば、力を使ってしっかりと立つことです。しかし、本来の説明では、人間の足が地面にかかっていて、体の他の部分はどこも力んではならないことになります。
二正の誤解は、務求端正、最忌偏斜から来るものが多いです。元々、端正という中国語の言葉に意味は間違わないことです。そして、偏斜ということはは力むことで体の動作が性格さを欠くことです。前傾してはならないとは無関係です。
二正の次に、虽或俯或仰という言葉が綴られているのではありませんでしょうか。俯とは前傾です。仰とはその前傾姿勢から徐々に体を起こすことになります。
不自然な姿勢で自分自身の体が硬直し、重心がおかしくなってしまうことが多いです。太極拳の重心は、しっかりと立っていることとは別物です。バランスの良い立ち方で体のどの部分も徐々に力みから解放されてゆき、これではじめて、太極拳の健康と武術効果である「開合」に少し、近づきます。
この独特な重心の取り方はあまり難しいことではないと思います。
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