第576話 用之于周身
- 2017/03/22
- 11:20

古代の太極家はこのように申しています。
「太極用之于周身、無処不可発、無処不可拿、無処不可打、亦無処不可化也。」
上述の「発拿打化」は太極拳の四つの基本用法です。
当然、太極は単純に拳を振り下ろせば、足を蹴り上げれば用法であるとか違いますし、ただ身体能力を強めることで打の衝撃を強くすることとも別物です。
太極は体のすべてを使うことで知られ、よって、体のすべてのパーツがほぼ同じ度合いまで訓練することが必要です。
これは同じ柔軟さの度合いの可能性もありますが、発勁の際も体の同一の度合いが望ましく思われています。
太極は十三勢の基本勁路にしても四つの用法系統にしても、体の各パーツの度合いの調和によるものです。
確かに、太極上級者は体の各パーツで一つの技を相手にかけるのですが、この状態を習得するのがかなり難しく、今日の体の一部分で攻撃を引っ掛ける用法は一つの自然状態であることも非議するものではありません。
私が長い間に構成し続けている「太極本意」は、決して絶対的なものではありません。
毎日の修練で我が身の変化で「太極本意」を書くことが中国古典哲学の基本であることを忘れずに、日々を過ごします。
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