第579話 呉式太極拳の正
- 2017/03/26
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平成29年3月26日日曜日 雨
近頃、中国やその他の国で我が呉式太極拳について、このように説明が流行っています。これはつまり、「斜中有正」ですね。
しかし、この説明はおそらく、呉式太極拳やその他の中国五大流派太極拳のことがほとんど理解していないからとしか言うようがありません。
太極拳の「開」の際は体を前傾して背中が後ろの足と一直線になることはかつての太極拳では当たり前です。例えば、陳式の老架、楊式の小架がいずれも前傾姿勢になります。
しかも、呉式の「開」の時の前傾を含むすべての動きを分析してみるとこれほどに「正」の太極拳がないと言っても過言ではありません。
私は現在、色々な年齢層の方々との研究の中で呉式太極拳慢架の「正」を研究し始めています。
これを簡単に説明すれば、前進後退の際の肩と骨盤と両足の同方向、左顧右眄の際の骨盤と両足の同方向、「開」の際の斜線中定、合の際、特に起脚の際の「合」の際の落胯垂臀、虚領虚勁、含胸抜背、松肩沉肘の徹底になります。創始者鑑泉はこれを10年間かけて習得すべきだと主張していました。
私はこの呉式太極拳の基本をほぼ、すべての年齢層の方にお願いして見ました。
結果は、どの年齢層の方からも簡単ではないとの声が聞こえています。もちろん、これは10年をかけるべきだと出張したこともあって、皆様の練習はまだ始まったばっかりでしょう。
呉式太極拳の「正」はもはや、年齢や身体能力と関係ないです。私が昨日に教えていた学生の皆さんは、どなたもかなりの身体能力があると認められています。
日本の制定種目の中ではいずれもトップの成績を収めています。
しかし、呉式太極拳の「正」はいずれの方も現時点では無理です。
太極拳は本来、どの年齢層もどのような身体能力も関係なく平等です。