第615話 かつての食生活
- 2017/04/30
- 14:03
平成元年に日本に上陸した途端に、私の食生活のすべてが変わったと言っても過言ではありません。当時の祖国はまだ、食糧のみならず、豚肉やお砂糖、上海製造のタバコなど色々なものが配給制になっていました。そこで私はいきなり東京に上陸したこともあって、改革解放したばっかりの国からいきなりの世界先進国まで、上海から東京へはたったの三時間です。
日本に上陸した翌日から、中華料理のレストランで働いていました。毎日の宴会を見てかなり驚いていました。日本人は毎日、中国の旧正月のような生活を送っているだと感じたのですが、日本国民は20数年後の今日ではもはや、出来る限り外食を控えるようになり、逆に中国人の富裕層はかつての日本人以上に毎日のように旧正月のような生活を送っていますね。とはいえ、これで中国の平均生活が日本国を断言出来るかどうかは微妙でしょう。
豊かな食生活に慣れているとは言え、人間は何故か過去を懐かしむ習慣があるようですね。幼い頃に食べていたかなり貧しい時代の食べ物は何故か、昔よりもかなり美味しく感じています。今年の元旦はお仕事で帰郷しましたが、弟子の配慮でグルメ街で宿を予約してくれたお陰で随分と幼い頃の色々な安くて美味しい食べ物を楽しみました。本当に不思議ですが、素材も作り方もほとんど変わらないのに、同じ食べ物で何故か今日のほうがかなり美味しく感じます。
医者の方ならばきっと、医学的な原因を糾明されるはずですが、私の人間的な推測はこうです。
一、世の中のすべての食べ物は、人体の一つの調和の為に存在しているようなものです。
一、人間力は、慣れてきた食べ物に関してはいずれ、飽きてしまうように出来ています。
一、人間は年をとれば、誰もが過去を懐かしむように出来ています。
いずれにしても、バランスのよい食事は我々の健康の保証であることは間違いないでしょう。