第639話 必先有事 勿助勿忘
- 2017/05/25
- 00:00

これは太極修練の目的の一つである無限の用法の入り口です。
このように考えると、正規の太極五大流派のどれも、太極を一つの動作で一つの用法として解釈していないことがわかります。
この理論では今日の知る人ぞ知るパワーや一撃で攻撃のパターンを繰り広げる流派からくるとは、中国の太極は本当に改革されてしまったことを認めるしかありません。
この文書から読み取れるのは、太極はまず、相手の攻撃を助長します。分かりやすく申すと、どうぞ、攻めてください。
これが手合いの相手であれば、どこまでギリギリのところで相手に攻めさせるのかを感覚や聴勁を駆使して決めますが、信頼関係ができた者でしたらおそらく、それ以上に隙を見せますね。
本日の午後に練習も、わたくしは同様のことを行いました。
太極の手合い修練はこのように、自分自身をギリギリのところまで追い込み、通常ではもう反撃をしなければならないのに、ここでも、真のパワーで攻めの補助をしないことです。このギリギリの状態を助けず、無目的にパワーで動かずことに徹します。
太極推手による手合いの練習はいつもこのように、自分自身をギリギリ状態に追い込みます。当然、その目的はかなり不利な状態の中で無限の動きを一瞬にして作ることです。
これはかなり、高度な捨己従人とも言えます。
スポンサーサイト