新天方夜譚物語第66話 楽な生活?
- 2015/10/27
- 00:25

二十数年の私達は、何とか自国を脱出して海外生活に憧れていました。当時の私達の考えは今日の中国人なら理解できないでしょう。
二十数年の私達は中国以外の国なら、何とか歯を食いしばって頑張っていけば、中国国内よりは数倍の給料が貰えると囁かれていました。
実際、私は一ヵ月のアルバイトの収入で簡単にCDラジカセと安い背広を手に入れました。当時の私にとって、日本は本当に豊かな国でした。
しかし、この二十数年の間に日本の経済力は本当に落ちお込みましたね。とはいえ、日本はまだ最低限度の生活はなんとかなっています。日本国は本当に貧困で倒れてしまえば、生活保護制度があって、どうしても家を失ってしまえば、国の施設も取り敢えず助けてくれるそうです。
勿論、今日の中国は生活水準が大分上がってきましたね。日本人の会社員の平均水準よりもお金を持っている中国人も大勢いるようですね。今日の大手量販店のどこも中国人店員さんを常駐させていますね。二十数年前なら、メーカーの営業である私が中国語と若干の英語ができるとのことでかなり珍しかったです。当時の日本人の大卒さんは英語ができないのが当たり前でした。
珍しく、今日になって日本の景気が低迷していて、日本人の外国語力がかつてよりは大分上がってきましたね。本当に不思議です。今日ではユニクロなどの大手では、英語で会議をする程に外国語に力を入れていますね。
それもそうでしょう。ビックカメラですが、なんと中国語の名前が誕生させましたね。「必酷」と言います。当然、これは中国語の発音に因んだものだけではありません。日本語と全く違う意味で中国語の流行語にもなっています。
二十数年前の大手量販店では中国人客を誰もが避けていましたね。素見しで何かを買うと必ず無理に値切りをしていました…
当時の中国人はお金が無かったからです。
私とほぼ同じ時期に来日した中国人の親戚が申す言葉です。「我々は中国と日本の豊かな生活のどちらも無縁でしたね。」
勿論、商売で成功しない人間はどこの国に於いても勝者とは言えませんね。よい生活は事業の成功や会社の出世が不可欠でしょう。
しかしながら、楽な生活の裏では、色々な努力が隠れています。頑張ってお金を儲けることは時々、一人の人間のすべてを変えてしまいます。
高度成長期で日夜働く社員の多くが壊れてしまいました。そして、多くの事業経営者も壊れていましたね。
人間は、生きて行くにはいつも大変です。人間の楽な生活は可能でしょうかと、私はいつも自問自答して悩んでいます。
どのようにして、楽な生活を手に入れられるのかは、私は是非とも皆様にも伺いたいと存じます。これは人間力向上の一環にもなります。
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