第772話 徹底した套路の訓練
- 2017/09/25
- 01:48

大陸では、武術の段位制度がはじまってからは多くの選手が段位を取得する為には套路の数を頑張って習得するようになりました。まあ、当然、人は若ければ何を覚えても速いはずです。今日になって、私はあまり難しくない套路を暗記して見ても何故かかなり時間をかかってしまいますが、若い頃はかなり難しい呉式太極の套路でさえ、他の人が練習をしているのを見るだけで覚えることができました。今になって、いくら後悔しても遅いですね。
私は、自分が制定種目を教えることは夢にも見ていませんでしたね。理由は簡単ですが、私は制定套路を覚えようとまったく思っていませんでした。しかし、本当に夢にでも見ていない事が今年のはじめから実現しております。私が北海道中国武術倶楽部で多くの方と一緒に色々な太極拳套路を分かち合っていることはもう秘密ではありません。しかし、私は制定太極拳套路は今日になってもほとんど覚えていません。私は最初、若い頃にもっと複雑な套路を見ただけで暗記してしまった程の記憶を信じていて、制定套路は短いし割合に簡単ではないかと、見て覚えようと自信満々でしたが、50歳を過ぎた私にはもはや、このような能力はありませんでしたね。非常に残念です。
この歳になって、私はこのように考えるようになりました。若い頃に出来るだけの套路をやらせておくべきです。覚えやすいからです。もちろん、数も大切ですが、一生涯をかけて練習し続ける套路、太極で申しますと制定の助けとして、武術として、そして養生としての毎日のように練習する、しかも癖になるような套路を若いうちに教えていくべきだと考えました。もちろん、動きは当然のように徹底して教え込みます。若い方が内勁に興味を示されるかどうか、示される年齢もまちまちですが、太極思想を若い方に伝えていくには混ぜ入れていなく変化されていない本来の太極套路をしっかりと教えていくことが大切でしょう。
もちろん、制定種目と伝統套路のギャップは大きいと思います。どのように若い方々に長くて複雑で、美を競い合う制定套路と根本的に違う伝統套路を伝えるのかは新たなチャレンジになります。伝統太極拳が制定套路の根本的な質の向上にも、怪我の回避にもプラスになる事がしっかりと伝わっていれば、若い方々はきっとついてきます。
自分自身の固定観念を壊していく必要があるようですね。
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