第799話 顺勢借力
- 2017/10/28
- 11:13

太極拳は力を使うよりも力を借りることで知られています。わかりやすく言えば、人様の色々な反射力を借りることです。力を借りることは水泳に似ています。上手に泳げる者は浮く力、水の圧力と抵抗、上に向く力、浪の力、激流や渦巻きの力などが考えられます。太極理論のこの点ではわたくしがかなりマイナスになります。金槌だからです。
推手も水泳に近いものです。どのような攻撃に逢っても相手の攻めをすべて水に見立て、自分自身がギリギリ浮いていることを目的にすれば良いです。相手の力が浮き沈み、急激に膨れるのならば、足で自分の重心を保つべきです。川を渡る際は横からの流れし従わなければ彼岸には至りません。
推手の上級者は水泳のように力を借りることになりますが、推手の初心者は色々なところで力を使い、色々なところでコントロールされ、動けば動くほどに体が重くなり、前進も出来ずに破れさられていきます。
推手で力を借りることは船を走らせることに似ています。どのような道具にしても、プリペラにしても、その原理は他の力を借りることになります。
太極を学ぶ者は水の抵抗や空気の圧力が理解できれば、上達の近道を把握できます。
中国語の熟語を二つ上げます。
借风驶帆:風に従い帆を張れ。顺水推舟:水に流れに従って船を押す(呉式太極剣乾坤にもこの名称が出てきます。)
相手に従っていれば自分自身は自然に浮かれているようになります。逆らえば、自分自身が沈んでいきます。激流に遭った時にブートフック一発の力で危険から安全になります。これも一つしかないポイントを知っている先導さんならできることです。
相手の動きに自然に浮いている状態であれば、相手の力を借りることができます。
水泳もどこかで勉強してみたいですね。
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