第800話 氤氲化生
- 2017/10/29
- 00:21

氤氲は中国語の古文であり、煙や湯気が生じてはまた消える様です。道教本来の太極理論では今日の世界のあらゆる理論とは違うようです。古代の太極理論では、ごく一般的な人間の状態から分析することが多く、世俗の様子をしっかりと理解できる状態で太極修練も上手く進みます。
本日の古典太極論の原文です:
天地分清浊、清浮浊沉、清高浊卑。陰陽相交、清浊相媾、氤氲化生、始育万物。
天と地の間には清いものと濁るものがあり、清いものは浮かれていきますが、濁るものは沈んでいきます。そして、人間の中では清いものは尊び濁るものは卑しいです。陰と陽の交わり、清いものと濁るものの織り交ぜ、煙や湯気が生じてまた消え、このようにして万物が育てられます。
この古文は天地が開かれて、万物が生き生きと生息している様子を語っています。古代太極論は太極拳を一般の世界のような排律で修練を続け、いずれは理想的な神の状態に近付けることを仄めかしています。
古代の道教太極は今日の誰よりも、世俗的な身体から神に近い状態への修練に憧れていました。当然、家族を捨て、可能な限り人間関係から遠ざかり、世俗的な誘惑もほとんどない状態での修練が続かれたものかと思われます。
しかし、このような生活、例え何百歳までの命があっても今日の近代人の誰もが選ばないはずです。私も例外ではないですね。
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