第802話 十要
- 2017/10/31
- 02:36

太極門の中でも色々な十要があって、その時その時のレベルに応じて十要の内容も変わっていきます。
十三勢を原点にして修練法を研究するのならば、大概、以下の通りになります。
虚霊,含拔、松腰、定虚実、沉墜、用意不用力、上下相随,内外相合,相連不断,動中求静。まあ、この他に何かの修練法はありえないです。
しかし、固有分明に近づける者は脱胎換骨し、その時の大切な修練法も変わってきます。従って、十要もこのようになります。
中定、虚领、感觉、聴勁、量敵、知機、双重、捨己従人、鼓荡、重心。
一番肝心なところで重なることもありますが、基本的にはレベルが異なります。
古代の太極修練は道学を基本にしていましたが、今日ではどなたもご存知のように武術や美を競い合うものとして練習されている方がほとんどです。まあ、これは、仕方がないことです。何事も時代によってその基本が変わっていきます。20年前に200年の後の科学進化への予測は10数年で実現しました。そうするとこれほどに我々は日進月歩の生活を楽しんでいるなら、古典的な太極の修練は当然、簡単ではありません。
道学として修練する太極は、世俗的な快楽や生き方、衣食住を得る為に浮世で圧力に耐えながらの奮闘からはかなり遠ざかるはずです。
お酒で体を誤魔化すことも、趣味でのリフレッシュも、先進技術からの便利も何もない世界での修練は今日の人間にはなかなか無理です。この点に関しては私も同様です。
スポンサーサイト