第828話 前後左右、上下四傍
- 2017/11/26
- 01:32

太極拳の中に色々と異なる套路、色々な異なる動作が含まれていますが、人間の体の根本である五行が我々の体の動きで現れると、「進、退、顧、眄、定」になります。わかりやすく言えば、前後左右になります。
但し、一人の人間の日常の前後左右の動きは「進、退、顧、眄、定」とはまったく異なるものであります。太極拳創始者が申す前後左右は私達の体内の金木水火土を調和する為の独特な動きになります。しかも、この動きを通常では数十年をかけて練習していけば、やっとなんとか一定レベルを維持しながらも太極的な身体変化は上級であればあるほどに進歩を感じないものです。
上下四傍は、人間の両肩と両骨盤の真横でございます。流派によっては、太極拳の中で方と骨盤を守るような用法として説明しておりますが、はっきり申すと人間は両手しかありません。肩を守っていたら両骨盤が露出します。逆も同様ですね。
よって、太極拳創始者が申す「上下四傍」は間違いなく、我々の肩の状態と骨盤の状態であります。
前後左右は進、退、顧、眄。上下四傍は中定であります。
太極修練の人間はこのように一見簡単そうで実際に動いてみるとかなり難度が高い動きを続けていくしかありません。
太極の諸々の套路も同様です。一見簡単そうで非常に単純な動きに見えてきますが、実際に練習してみるとあまりそうでもありません。実際、前後左右と上下四傍の一定レベルまでに達するのは多くの練習が必要です。
当然、このような状態は武術も健康も区別がありません。そして、個人的な心得ですが、武術の上達よりも健康を手に入れることがもっと難しいです。
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