第829話 文化革命の悪影響
- 2017/11/27
- 09:28

今日になって、中国政府も1966年からの文化革命を肯定的な評価していません。私は今日の20代や30代の若者に「文化革命」について伺ったところ、歴史の教科書で知っているとの答えが返ってきます。当然、教科書も否定的な評価をしている以上、これは中国国家の態度であることは間違いないでしょう。
文化革命はいかなることだったのかはインターネットがかなり発達している今日ではあまり難しいことではありません。私は幼い時に実際に見た革命はネットで囁かれているものとほぼ同じです。かなり幅広いリンチ、町の責任者のサイン一つで銃殺の成立、権力ある者の小範囲に国策解釈、様々なサブグループによる「碰頭」(複雑な判断に迫る際の相談)で一人に人間の政治的な運命が決められるなどが普通に行われていました。このような人間関係はおそらく、今日の若い中国人ならばあまり馴染みのないものだと最近になって確認いたしました。中国は今日になってやっと、本格的に文化革命の悪影響から離れたと言えるでしょう。これは本当に嬉しい限りことです。
しかし、中国以外の国々で、文化革命に真っ只中での「中国文化」を輸入された組織は、何故か、なんとなくまだ文化革命の頃のような運営や人間関係を維持しているようです。「碰頭」のような文化革命を経験した人間しかわからない古い言葉がいまだにこのまま使われている以上、このような組織で行われている運営も文化革命的なものであることが確実です。実際に見てみると、文化革命を経験したことがある私やもう少し年をとった者ならば、誰もが異口同音で答えが出ます。
密かな「碰頭」があって、その次の日に誰かが失脚、誰かが投獄され、誰かが銃殺されたなどの事件はあの頃では当たり前のことでしたが、今日、しかも中国以外の国でこのような運営を繰り広げられている組織がまだ存在していることは本当に呆れてしまいます。
どの国の文化も素晴らしいものです。異文化の輸入はその文化の進化、時代の進化による新たな運営管理法などを常に学習し、その文化が自国民にとっての心の糧になっていくことが近代人としての責務です。新たな学習と、新たな運営ができない組織はいつか滅びます。
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