第915話 太極、跟為本、引為術
- 2018/02/20
- 12:03

今日になって、かつての色々な太極拳の言い回しもあまり聞かなくなってきたのですが、かつてでは太極拳の色々な熟語がありました。
太極は「盘架為本、推手為用、跟為本、引為術」として知られています。跟という中国語はあまり知られていませんので、少々説明を加えるようにしたいと思います。跟という言葉は主に二つの意味があります。一、人間の踵。一、従うこと。本日は後者になります。
太極は人に従っていく状態の修練になります。当然、体の一つのパーツで相手の動きについていくことではなく、体全体がほぼ同様の緩みの度合いで相手のいかなる抵抗や攻めに力点を与えないことになります。これが、世間で色々と囁かれている「ポン勁」になります。この状態が更に上級になると世間であまり知られていない「鼓荡勁」に発展していくのです。「跟」は太極の根本です。
「引」は「跟」の結果です。「引」は、相手のいかなる抵抗も反発も吸収される様子です。そうすると本当に触っているだけの状態で相手が崩れていきます。「跟」と「引」ができれば、これではじめて太極勁の入り口に立ちます。当然、これまでも一定の時間がかかります。この一定の時間はおそらく、空手で実際に戦えるようになると同様の時間がかかると思います。太極勁のすべての勁路は「跟」と「引」の後になります。
「盘架為本、推手為用、跟為本、引為術」はワンセットです。沢山の太極拳の練習と推手の盘手練習を続くしかありません。
世の中のどの武術も時間がかかります。
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