第920話 様々な理屈
- 2018/02/25
- 08:27

世の中は当然、理論を申せば誰もが坦々と色々な理屈を並びますが、実質、体でその理論を実践するとなると必ずしもそうでもありません。しかし、この世のほぼすべて理論は人間や動物の体を介して実行するものだと認識しております。
ならば大変恐縮な言い方ですが、理屈ばっかりで体が動けないとその理屈も根拠がないものになります。まあ、当たり前ですが…
医者の分野では、小児外科という専門職があります。幼い体は大人よりもかなり弱く、判断が少しでも遅れれば、少しでも間違っていればたちまち命が危うくなります。
そして、例え判断が良くても実際に手術になると、かなり幼くて小さな臓器を修理することは相当の難しい技になります。
他に私の記憶では、脳外科の医者も指先の器用さの為に常に色々な訓練をしなければならないようですね。人間の脳神経は触っただけでかなりの後遺症が残ってしまうそうです。
理屈と実践が揃っていなければ、世のどの分野もうまくいかないはずです。
武術も当然、当たり前の理屈と体の動き方の上手さがすべてです。武術は更に、同じ体の使い方でも練習の繰り返しによって、その武術的な効果は更に向上します。
逆に、なんとなく凄いことを言っているところで実際にその動きをオープンしなければよいですが、堂々と自信満々に見せていれば、専門家がみればただちにそれは他人の理屈や理論を盗んだ結果になります。
医学も武術も、その他の分野もテクニックが備わっていなければ、理論は何も意味がないものになります。
研究会の5年間で一定の健康効果は会員さんの証言では得ているようですが、武術的な効果はなんとも言えませんね。教えている私は巌流島やその他のプロの試合に出ておりませんし、私は無理して他の武術家ともほとんど交流していません。私が教えている流派の太極拳がどれほどの強さであるかもしっかりした説得力があるとは言えません。それでも、多くの方が私の武術の感覚を信じ続けています。
感謝しております。
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