第920話 様々な感覚
- 2018/02/26
- 01:04

複数の放射線科の医者に伺ったところ、人間の内臓や骨格、筋肉の構造は人類の数程に存在するようです。当然、例え決められた動きで競いあっても、異なる体からはきっと異なる出来になるのも避けられないです。体の動きを教える仕事は当然簡単ではないですが、一人ひとりの特徴を把握し区別して教えていけばきっと、その人に合った体がよい方向への動きの指導ができます。当然、このくらいの教え方であれば、教える人間はあまり楽ではありません。私は今日ではできる限り、一つの教室を十人くらいの会員に限定しております。現在は一つの教室の中で基本太極拳、気功、推手の数々、武器の数々を同時に教えているので、正直に申しますと本当に教室の時間が足りません。人数の多い教室は終了後に公園で特訓なども実行しています。
このような教え方は、一人ひとりの感覚を最大限に修正できることを最優先にした結果です。私も上海で同時に80人の会員に太極拳を教えたことがありますが、会員さんのご希望で推手なしで太極拳と一部の武器のみのレッスンという前提と、年齢と体力の関係で毎日の短い時間のレッスンなどの独特な条件で教えていました。例え、このような難しい状況の中でもできる限りの動作チェックと注意点の提供を行っていました。私は師匠が前にいて、学生を後ろにして真似させることは好きではありません。
当然、初心者ばっかりの時は自分自身が一番前に行くしかありませんね。そして、まったく太極拳が理解できていない方に対しては後ろで真似もしていただきますが、可能な限り一つ一つの動作を説明していくことになります。もちろん、時間をかけますね。そうではなければ、一人ひとりが太極的な感覚を得ることは困難でしょう。
このように、一人ひとりの感覚を大切にしていくことを最優先に考えれば、私は会員の方が一定レベルまで太極拳套路を覚えたところで、自分自身が一番後ろで皆と一緒練習することもかなり行っております。間違いのチェックですね。そして、練習の最中も時々、小さな声でアドバイスを与えます。当然、喋り過ぎると練習の静けさが破壊してしまうので、いつものように軽く一言です。当研究会では太極拳の練習の最中の音楽はありませんので、小さな声で聞こえます。もちろん、太極拳練習の後も実際に見えた皆様の欠点や足りなさを直す時間も設けますが、毎日のように少しずつの注意点しか与えません。人間は基本的に一回に沢山のことを覚えようとするとストレスが溜まり、感覚の磨きにマイナス的ですね。
そして、太極拳は太極拳の感覚があり、推手はまた違って、武器はまた独立した感覚があります。難しい太極剣や太極刀は皆様の感覚の中で至難の技である自選難度太極拳よりもはるかに難しいです。このように、太極拳の世界では一人の人間としての感覚と、一種の套路としての独特な感覚が存在しています。太極を教えていく人間はまず、かなりの練習をこなしている者、長い間の正確な練習経験を持つ者が望ましいです。他人ごとではなく、私はいつも自分自身にこのように言い聞かせております。
スポンサーサイト