第944話 手の速さ
- 2018/03/22
- 02:04

感覚の武術や重心での勝負がメインの武術は当然、手の速さがすべてだとよく言われますが、でも実際、人間の手の速さは人間の先天的な機能にかかっており、僅かな加齢による機能の低下でも人間の手の速さを大きく左右してしまいます。人間の体の各部分は一般的には交感神経で脳との交信をしますが、体の一定の訓練によって我々は副交感神経による脳との交信もできるようになりますし、副交感神経で体内のデータ伝達をすれば、神経の反応が非常に速くなり、皮膚で感じた相手の抵抗は脳を通さずに、皮膚レベルで処理してしまうものもあります。
太極拳の世界でよく、「筋、骨、皮」レベルでの相手の抵抗への対応と処理を説明していますが、その中でも最も速いのが人間の皮膚レベルの対応になります。当然、皮膚レベルの処理は長い間にどれほどのできる限りの全身の軽い状態で、沢山の試行錯誤を重ねていくことの結果になります。

太極は、永遠に完成できない相対的な一種の状態です。常にやり甲斐があるので、太極は一種の芸術であるとも言われています。
元々、軽さで人に勝つこと自体が芸術だと感じております。
しかし、軽さで人に勝つ為には、本当に1ミクロのくるいも修正して行かなければ成し遂げることがあり得ないです。
以下の色々な攻め法は凄いですが、基本的に太極勁とは言えませんのでご参考にどうぞ。
一、身体中に力を込めて、体全体で相手に向かっていくこと。
一、人様の関節の死角を一瞬にしてコントロールし、相手を動けなくする関節技。
一、出手の時の方向と腰椎の緩みの方向は一致していないこと。
その他にも太極勁ではない動きが沢山ありますが、これから徐々に皆様と分かち合って行きたいと存じます。
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