第950話 捨己従刀
- 2018/03/28
- 11:07

日曜日のレッスンの際に私の造語を紹介いたします。太極刀自体、重さがありますが、その重さを動かして人は色々な動きをするのが武術の武器トーロです。
一定の内面状態ができる人間ならば、武器が体の動きから自然に力が伝わり、人間も武器も宙に浮かされている仙風道骨のような動きができるのですが、かつても、世界の若いトップ女性選手で伝統太極拳家元の先生の動きを撮影して、スローモーションにしてコマごとに分析し、それを徹底的に若さと体の鍛えによって真似した結果、世界トップになったのです。

当然、その動きは一般の方々が拝見してもまったくわかりませんが、当の本人や我々が見ればすぐにわかります。言い換えれば、我々の動きは体が自然にこのように液体のように流れる状態を維持する為に毎日のようにしっかりと数十年も訓練を重なっていけば、この状態には何も作り物がありませんが、選手の上手い真似には細かい断点があります。もちろん、選手のこの状態は長く維持できないです。
我々の体のパーツ同士が互いに邪魔していなければ、基本的に体が武器に邪魔な働きもしません。しかし、この状態は44年太極を練習し続けている私もまだ完全にできていません。はっきり申すとこの状態は永遠に完成できないものです。これが謂わゆる太極勁です。
制定種目で高いパフオーマンスを得る為には、試合の直前に筋肉を100%に達して、太極勁による体のパーツ同士が邪魔していないように見せれば、当然、高得点が得られます。もちろん、この状態は長く続かないし、100%へ持っていく方法も独特です。武術の領域の筋力アップならば、スポーツインストラクターもなかなか理解できないでしょう。間違って筋力をアップしてしまえば、成績の低下と怪我は避けられないです。
もちろん、制定太極拳選手やその他の種目選手が本来の太極を練習すれば、最も理想ですが・・・
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